2025年に登録された世界遺産の絵
少しずつ更新していきます。
第47回世界遺産委員会
2025年の世界遺産委員会は、7月6日から16日まで、フランスのパリのユネスコ本部で開催される予定です。当初はブルガリアのソフィアで開催予定でしたが、会場が変更されました。第47回となる今回の委員会では、新規の世界遺産登録の可否などが審議されます。
New Inscribed Properties 2025
26 New Inscribed Properties
21 Cultural
4 Natural
1 Mixed
2 Significant modifications to the boundaries
Gola-Tiwai Complex Sierra Leone
ゴラ-ティワイ複合遺産 シエラレオネ

ゴラ・ティワイ複合体は、西アフリカの上部ギニア熱帯雨林を代表する生態系。チンパンジーやピグミーカバ、多様な霊長類・鳥類が生息し、高い生物多様性と原生林の保全価値が評価されている。
Coastal and Marine Ecosystems of the Bijagós Archipelago Guinea-Bissau
ビジャゴス諸島の沿岸・海洋生態系 ギニアビサウ

ビジャゴ諸島沿岸・海洋生態系は、干潟、マングローブ、砂州、浅海が連なる西アフリカ最大級の自然海域。渡り鳥の重要な中継地で、ウミガメやマナティなど希少種が生息し、潮汐と人の共生文化が特徴。
Prehistoric Sites of the Khorramabad Valley Iran _Islamic Republic of
ホッラマーバード渓谷の先史時代遺跡 イラン・イスラム共和国

Mount Mulanje Cultural Landscape _Malawi
ムランジェ山の文化的景観 マラウイ

マラウイ南部に位置するムランジェ山文化的景観は、アフリカ南東部で最も高い山の一つを中心とする聖なる地です。周囲には先住民の信仰や儀式の場が点在し、伝統的な神話や口承文化が今も息づいています。豊かな生物多様性と霊的価値が共存するこの地は、人と自然の深い結びつきを象徴し、2025年に世界遺産として登録されました。
Petroglyphs along the Bangucheon Stream_Republic of Korea
バングチョン渓流沿いの岩絵 大韓民国_韓国

韓国・蔚山にある盤亀台(バングチョン川沿いの岩絵群)は、新石器時代から青銅器時代にかけて制作された岩刻画群です。クジラや鹿、人間の狩猟・儀式の様子などが刻まれ、当時の生活や信仰、自然との関わりを物語ります。東アジアでも最古級の岩絵文化遺産として、人類の精神的・芸術的表現の源流を伝えています。
Minoan Palatial Centres _Greece
ミノア文明の宮殿中心地 _ギリシャ

クレタ島の六つの宮殿中心地(クノッソス、ファイストス、マリア、ザクロス、ゾミントス、キドニア)は、紀元前1900〜1100年頃に栄えたミノア文明の行政・宗教・経済の中枢です。多層階建ての中庭、鮮やかなフレスコ画、排水設備や階段・倉庫を備えた高度な建築、初期文字体系や海上交易ネットワークなどを通じて、高度な社会構造と地中海文化交流の証を示しています。社会・芸術・都市設計の総合力が評価され、世界遺産に登録されました。
Megaliths of Carnac and of the shores of Morbihan_France
カルナックおよびモルビアン湾岸の巨石群_フランス

Maratha Military Landscapes of India_India
2025年に世界遺産に登録された「Maratha Military Landscapes of India(インドのマラーター軍事景観)」は、17~19世紀にかけてデカン高原を中心に築かれた山岳要塞群を中心とする軍事建築群です。急峻な地形を活かした要塞、城壁、見張り台などが特徴で、当時のマラーター王国の戦略的防衛システムを示しています。これらはインド固有の軍事建築技術と自然環境との融合を象徴し、地域の政治的独立と文化的アイデンティティの形成に大きく寄与しました。

Faya Palaeolandscape_United Arab Emirates
シャールジャのFaya Palaeolandscapeは、中期旧石器時代から新石器時代(約21万〜6千年前)にわたる、人類の砂漠環境への長期間にわたる適応の証を残す遺産です。暑さと乾燥が支配する極端な環境で、狩猟採集民や牧畜民族が気候の20,000年ごとの周期的変動に応じて暮らし方を変えてきた様子が、複数の考古層(18層)から明らかになっています。石灰岩の丘(ジェベル/jebels)や地下水源、泉などの地形的特徴があり、水資源・原材料の利用が可能であったため、人の定住や反復的な利用が可能でした。また、砂漠地域で「通過地」ではなく生活の場として利用されていたという理解を拡げ、過去の人類史・移動経路についての既存の仮説を再検討させる遺産です。保全・研究・持続可能な観光の枠組みも整えられており、自然と文化が融合する景観として国際的な評価を得ています。

Forest Research Institute Malaysia Forest Park Selangor_Malaysia
マレーシア・クアラルンプール北西約16kmに位置するFRIM森林公園は、かつての錫鉱山跡地という荒廃した土地を1920年代から再造林し、「人の手による熱帯雨林」の模範的な復元に成功した事例です。湿地や多様な低地熱帯樹種、豊かな生物多様性を有し、自然森林と見紛う成熟した生態系を構築しています。研究施設、トレイル、水辺の景観も整備され、再生可能な生態系管理と環境保全の両立を象徴。2025年の世界遺産登録は、持続可能な土地再生の先駆けとして国際的ベンチマークとなっています。
Diy-Gid-Biy Cultural Landscape of the Mandara Mountains_Cameroon
カメルーンのマンダラ山地に広がる「Diy-Gid-Biy 文化的景観」は、岩山に築かれた石垣の集落や段々畑など、人々の生活と自然環境が一体となった景観です。住居や防御構造は共同体の知恵を示し、独自の宗教儀礼や口承伝統と結びついて受け継がれてきました。先住民の文化的アイデンティティを今に伝える貴重な遺産です。
Funerary Tradition in the Prehistory of Sardinia – The domus de janas_Italy
サルデーニャ島の「ドムス・デ・ヤナス(妖精の家)」は、紀元前4千年紀からの岩を掘り抜いた墓群で、先史時代の葬送文化を示す遺産です。壁面には彫刻や装飾が施され、死後の世界観や精神性を物語ります。共同体の記憶を刻む空間として、ヨーロッパ先史時代の重要な証拠を残しています。

Peruaçu River Canyon_Brazil
ペルアス川峡谷 ブラジル
ペルアス川渓谷(ブラジル)は、壮大な断崖と洞窟が連なる自然と文化が融合した景観です。先史時代の岩絵や考古遺跡が数多く残され、人類の暮らしや精神文化を今に伝えます。多様な生態系も保たれ、自然と人間の歴史が交差する独特の価値を持つ場所です。

Murujuga Cultural Landscape Australia
ムルジュガ文化的景観 オーストラリア
西オーストラリア州ピルバラ地域にあるムルジュガは、世界最大級の岩絵群を有する文化的景観です。約200万点にのぼるペトログリフ(岩絵)は5万年以上前にさかのぼり、人類史上最古級の芸術表現とされます。動物、精霊、環境とのつながりを描いたこれらの岩絵は、先住民の文化的・精神的伝統が途切れることなく継承されてきた証であり、自然と人間の共生を物語っています。その卓越した普遍的価値が評価され、2025年に世界遺産へ登録されました。

Cultural Heritage Sites of Ancient Khuttal
Tajikistan
古代クッタルの文化遺産遺跡群
タジキスタン
中世のクッタル王国(7〜16世紀)が栄えた地域に点在する、仏教寺院、宮殿、集落、キャラバンサライなど11の考古・建築遺構。なかでも首都・フルブクの宮殿遺跡が際立つ存在で、シルクロード交易の要衝として多文化交流の象徴的役割を果たしました。卓越した都市計画や文化の多様性を今に伝える重要な遺産です。

Cambodian Memorial Sites_From centres of repression to places of peace and reflection
Cambodia
カンボジアの記憶の地:抑圧の中心から平和と省察の場へ
カンボジア
カンボジアの元M‑13刑務所、トゥール・スレン虐殺博物館、チョンエク虐殺センターは、1975〜79年のクメール・ルージュ政権下で大量収容・拷問・処刑が行われた場所です。2025年の世界遺産登録により、これらはトラウマの記憶を後世へ伝えるための場として再定義されました。抑圧の中心から学びと平和の現場へ――カンボジアの歴史における勇気と再生の象徴と言えます。
Germany
バイエルン王ルートヴィヒ2世の宮殿群:ノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホフ城、シャッヘン館、ヘレンキームゼー城
ドイツ
「バイエルン王ルートヴィヒ2世の宮殿群」は、ノイシュヴァンシュタイン、リンダーホフ、シャッヘン、ヘレンキームゼーの4つの宮殿で構成されます。幻想的で演劇的な建築様式は、ロマン主義やフランスのバロックなど多様な影響を受け、王の夢と孤独、芸術への情熱が表現されています。各宮殿は自然と調和し、19世紀後半の王権と美学の象徴として評価されています。






