フェルメールを描くということ

静謐のなかの時間──フェルメール作品へのオマージュ

 

 
松田光一の作品において、フェルメールへのオマージュは、ある種の“沈黙の中の対話”として展開されている。静かに、しかし確かに、17世紀のオランダと現代の東京、あるいは旅先の都市とが画面の上で出会っている。
 
フェルメールの絵画は、単なる日常の断片ではない。そこには“見えない時間”が宿っている。窓から差し込む柔らかな光、眼差しを落とす女性、読みかけの手紙、かすかな沈黙──それらは見る者の内面へと作用し、「これは誰なのか」「何が語られようとしているのか」と問いかけてくる。
 
松田はその問いに応えるように、現代に生きる人物をフェルメール的構図に置き換え、もうひとつの“静謐な時間”を描き出す。それは、誰かの旅の途中での一瞬だったり、社会の中で輝きを放つ女性の姿だったりする。
 
今回の作品は、フェルメールの代表作「青いターバンの少女」へのオマージュである。松田の描く“少女”の瞳には、小さな人物が密やかに描き込まれている。無邪気に笑うその姿は、私たちの内にあるもう一つの世界――子どものような自由、遊び心、そしてまだ見ぬ宇宙の広がり――をそっと示唆する。
それは、内なる“楽しい世界”への入口であり、見る者の想像力をやさしく誘う。
 
オマージュとは、単に「真似る」ことではなく、「共鳴する」ことである。フェルメールの構図に、今の空気や息遣い、都市の気配を重ねることで、絵画は時間を超えた感情の共鳴装置となる。
 
特に「青いターバンの少女」に代表されるポートレート作品は、松田の中で“象徴”から“対話者”へと変容している。1000人が1000通りの感情を投影するような余白。その“静けさ”に、松田は現代の混沌を映す。
 
フェルメールの静けさは、現代では“問い”となる。それは、「私たちは何を見つめているのか?」「この一瞬をどう生きるのか?」という問いかけである。
 
松田光一のフェルメール・シリーズは、過去の巨匠との深い対話であり、同時に現代の私たち自身への静かな反射でもある。

 

─ World Heritage Art ─

松田光一は、世界遺産の美しさと歴史を絵画で表現し、その価値を新たな視点で伝えます。目標は作品が世界遺産に収蔵され、訪れる人々に新たな体験を提供することです。

─ KOICHI MATSUDA ─

松田光一  和歌山県出身の画家。大阪芸術大学卒。

世界遺産の美しさと精神を絵画として表現する。モチーフの奥にある物語や文化の深層を描き、作品を通じて世界遺産の価値を次世代へ伝えていく。技法はデジタル、アクリル、オイルなど様々。

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