2023年に登録された世界遺産より(2022年申請分を含む)
Nyungwe National Park
Rwanda
ニュングウェ国立公園 ルワンダ
ルワンダ南西部に位置するアフリカでも最も古い熱帯雨林の一つで、豊かな生物多様性が特徴です。広大な森林には、約1,000種以上の植物、300種以上の鳥類、そしてチンパンジーやフクロテナガザルを含む13種の霊長類が生息しています。さらに、熱帯雨林の美しい景観と多様な生態系は、観光や生態保護にとって重要な役割を果たしています。ニュングウェは、アフリカの自然遺産と生態系保護の象徴として高く評価されています。
Medieval Anatolia
Turkey
中世アナトリア トルコ
中世アナトリアは、ビザンティン帝国、セルジューク朝、オスマン帝国など、多様な文明が交差した地域です。この遺産には、要塞、橋、キャラバンサライ(隊商宿)など、当時の建築技術や文化交流を示す遺跡群が含まれています。特にセルジューク朝の建築様式が顕著で、石造りの装飾や幾何学模様が特徴的です。この地域は、中世における文化、宗教、交易の中心地として評価されています。
Hopewell Ceremonial Earthworks
America
ホープウェル儀式土塁群 アメリカ合衆国

アメリカ合衆国オハイオ州に位置する。ホープウェル文化(紀元前200年~紀元後500年)によって築かれたこれらの土塁群は、宗教儀式や集会の場として使われ、幾何学的な形状が特徴です。大規模な円形や四角形の土塁は、天文学的な整列を考慮して設計されており、先住民の社会・宗教的生活を象徴しています。この遺産は、古代アメリカの高度な技術力と精神文化を示す重要な遺跡です。
Tugay forests of the Tigrovaya Balka Nature Reserve
Tajikistan
ティグロヴァヤ・バルカ自然保護区のトゥガイ林 タジキスタン
トゥガイ林は、アムダリヤ川沿いの氾濫原に形成された特殊な森林で、乾燥地帯の貴重な生態系を支えています。この地域には、絶滅危惧種のペルシャヒョウやバルカリカンガルーなど、多様な動植物が生息し、特に湿潤環境での自然保護の重要性が高く評価されています。独自の生態系と希少な生物多様性が、保護区の価値を高めています。
Funerary and memory sites of the First World War (Western Front)
Belgium
France
第一次世界大戦(西部戦線)の埋葬と記憶の場所 フランス ベルギー
第一次世界大戦の西部戦線における墓地や記念碑を含む世界遺産候補地です。フランスとベルギーにまたがる地域に位置し、戦争の犠牲者を追悼する場として、文化的・歴史的意義を持っています。これらの場所は、戦争の破壊的影響と人類の記憶を伝える場であり、戦争の悲劇と和解の象徴とされています。遺産としての意義は、平和の重要性を後世に伝えることにあります。
The Maison Carrée of Nîmes
France
ニームのメゾン・カレ フランス
フランス南部に位置する古代ローマ時代の神殿。紀元前1世紀に建てられたこの神殿は、ローマ帝国の建築技術と美学の優れた例であり、特に保存状態が非常に良いことで知られています。コリント式の柱を持つ正面玄関と、その調和のとれたプロポーションが特徴的です。メゾン・カレは、古典建築の影響力を後世に伝える重要な文化遺産として評価されています。
Zagori Cultural Landscape
Greece
ザゴリの文化的景観 ギリシャ
ギリシャ北西部のピンドス山脈に位置します。この地域は、美しい石造りの村々や石橋、教会、修道院が点在し、伝統的な建築様式と自然環境が見事に調和しています。ザゴリの村々は、自然の地形を生かした独特の都市計画が特徴で、豊かな文化遺産や長い歴史が地域のアイデンティティを形成しています。豊かな生物多様性と共に、人間と自然の共生が評価されています。
https://whc.unesco.org/en/list/1695/
The Historic Centre of Odesa
Ukraine
オデーサ歴史地区は、ウクライナ南部に位置するオデーサの旧市街で、18世紀末から19世紀にかけて発展した黒海の重要な港湾都市の中心地です。ヨーロッパ各地からの建築家による新古典主義やアール・ヌーヴォー様式の建物が立ち並び、多文化的な影響を受けた都市計画が特徴です。貿易、文化、芸術の中心地として栄え、オペラ座やプシキン通りなどの象徴的な建築が歴史的価値を持ちます。
Rachid Karami International Fair-Tripoli
Lebanon

レバノンのトリポリにあるラシッド・カラミ国際見本市(Rachid Karami International Fair)は、近代建築の巨匠オスカー・ニーマイヤーによって設計されました。1960年代に建設されたこの施設は、レバノンの経済成長と国際交流を象徴する場として設立されました。特徴的な曲線を持つ建物や広大な展示スペースがあり、建築的価値が高く、2023年にユネスコの世界遺産に登録されました。
Landmarks of the Ancient Kingdom of Saba, Marib
Yemen
古代サバ王国のランドマーク、マリブ イエメン
Cultural Landscape of Old Tea Forests of the Jingmai Mountain in Pu’er
China
プーアル市景迈山の古茶林の文化的景観 中華人民共和国

中国雲南省に位置する世界遺産。この遺産は、千年以上続く茶の栽培と製造の伝統を持つ古代の茶林を特徴としています。地元の少数民族が持続可能な農業手法で茶樹を管理し、豊かな生物多様性を保ちながら茶文化を発展させてきました。茶林には古代の石段や寺院、村落も点在し、茶文化と自然景観が調和した独特の文化的景観を形成しています。
The Ancient Town of Si Thep and its Associated Dvaravati Monuments
Thailand
シーテープの古代都市とその関連するドヴァーラヴァティーの遺跡群 タイ

この遺跡群は、7世紀から11世紀にかけて栄えたドヴァーラヴァティー文化を代表し、古代の都市計画や宗教建築の例が見られます。特に、壮大な仏教寺院やヒンドゥー教寺院の遺構が含まれており、当時の信仰や芸術の発展を示す重要な証拠です。
Jodensavanne Archaeological Site: Jodensavanne Settlement and Cassipora Creek Cemetery
Suriname
ユダヤ人サバンナ考古遺跡(ユダヤ人サバンナ集落とカシポラ・クリーク墓地) スリナム
スリナムにあるユダヤ人植民地の歴史を伝える重要な遺跡です。17世紀に形成されたこの集落には、シナゴーグの遺構や住居跡が残り、カシポラ・クリーク墓地には保存状態の良い墓石が点在しています。宗教的自由を求めたユダヤ人の歴史と多文化共存の象徴的な地で、豊かな自然とも調和した貴重な文化遺産です。
Djerba:Testimony to a settlement pattern in an island territory
Tunisia
ジェルバ島: 島の領土における定住パターンの証言 チュニジア
ジェルバ島は古代から多様な文化や宗教の影響を受けてきた歴史的な場所です。フェニキア人、ローマ人、ビザンチン人、アラブ人、ベルベル人などがこの島に定住し、その影響が建築、都市計画、農業、宗教施設などに反映されています。特にユダヤ人コミュニティの存在は、この地域の多文化共存の象徴とされています。
National Archaeological Park Tak’alik Ab’aj
Guatemala
国立考古学公園 タカリク・アブアジ グアテマラ
グアテマラ南西部に位置する重要な遺跡で、先古典期から古典期初期(紀元前900年~紀元後200年)の間に栄えた多文化的な都市です。マヤ文明とオルメカ文明の影響が交錯しており、石彫やモニュメントが特徴的です。特に、精巧な彫刻や初期マヤ文字が刻まれた碑文が発見され、文明の発展を示す貴重な証拠となっています。考古学的にも観光的にも重要な地で、自然と歴史が融合した魅力的な場所です。
Volcanoes and Forests of Mount Pelée and the Pitons of Northern Martinique
France
ペレー山と北部マルティニークのピトンの火山と森林 フランス
フランス領マルティニーク島に位置する自然遺産です。この地域は、活火山であるペレー山を中心に、独特の火山地形と熱帯雨林が広がっています。ペレー山は、1902年の大噴火で知られ、その後も活発な火山活動が続いています。また、この地域は多様な生態系を持ち、多くの固有種が生息しています。特に熱帯雨林は生物多様性が豊かで、自然保護の重要性が認識されています。この自然景観は、地球の地質学的および生態学的な歴史を理解する上で重要です。
Viking-Age Ring Fortresses
Denmark
ヴァイキング時代のリング要塞群 デンマーク
10世紀にデンマーク王ハラルド青歯王によって建設されたこれらの円形要塞は、戦略的な軍事拠点として機能し、ヴァイキング時代の優れた防衛技術を示しています。要塞は正確な円形の設計と対称的なレイアウトが特徴で、デンマーク各地に点在しています。これらの遺構は、ヴァイキング社会の政治的、軍事的組織力を物語る重要な証拠とされています。
The Persian Caravanserai
Iran
ペルシャ・キャラバンサライ イラン
キャラバンサライは、古代から19世紀にかけて交易路に沿って建てられた宿泊施設で、旅行者や商人の休息と物資の保管に利用されました。この遺産には、イラン全土に点在する54のキャラバンサライが含まれ、各地の気候や文化に応じた多様な建築様式が特徴です。これらの施設は、シルクロードなどの歴史的交易路における商業活動や文化交流の重要性を象徴しています。
Silk Roads_Zarafshan-Karakum Corridor
Tajikistan, Turkmenistan, Uzbekistan
シルクロード:ザラフシャン=カラクム回廊 ウズベキスタン、トルクメニスタン
この交易回廊は、古代から中世にかけて東西を結ぶ主要なルートとして機能し、商業、文化、宗教の交流を促進しました。交易路沿いには、キャラバンサライや都市遺跡、要塞などが点在し、シルクロードの繁栄と多様な文化的交流の歴史を物語っています。この回廊は、シルクロード全体の重要性を象徴する一部として評価されています。
Old town of Kuldīga
Latvia
クルディーガ旧市街 ラトビア
Modernist Kaunas_Architecture of Optimism, 1919-1939
Lithuania
モダニスト・カウナス:オプティミズムの建築 リトアニア
Gordion
Turkey
ゴルディオン トルコ
古代フリギア王国の首都。ゴルディオンは、紀元前9世紀から8世紀にかけて栄え、ギリシャ神話で知られるゴルディアスの結び目やミダス王の伝説と結びついています。遺跡には王墓や防壁、居住区が含まれ、特に巨大な墳丘墓(トゥムルス)が有名です。この遺跡は、古代アナトリアの文化と歴史を伝える重要な場所であり、考古学的価値が高く評価されています。
Gaya Tumuli
Republic of Korea
伽倻古墳群 韓国
伽倻は紀元前1世紀から6世紀にかけて朝鮮半島南部で栄えた連合王国で、その時代の古墳群が広範囲にわたり残されています。これらの古墳は、伽倻文化の独自性を示すもので、特に鉄器の精巧さや独自の埋葬習慣が特徴です。古墳群は、当時の社会構造や国際的な交流を物語る重要な証拠であり、朝鮮半島の古代史を理解するうえで非常に貴重です。
Žatec and the Landscape of Saaz Hops
Czechia
ザーテツとザーツホップの景観 チェコ共和国
The Gedeo Cultural Landscape
Ethiopia
ゲデオ文化的景観 エチオピア

この地域は、ゲデオ族が何世紀にもわたり築いてきた独特の農業システムと、豊かな生態系を持つ景観で知られています。急斜面の土地を巧みに利用した持続可能な農業と、土壌保全技術が特徴的で、特にコーヒー栽培が盛んです。ゲデオの文化と伝統が自然環境と深く結びつき、豊かな生物多様性と調和した生活が営まれています。
Tr’ondëk-Klondike
Canada
トロンデク=クロンダイク カナダ

カナダのユーコン準州にある世界遺産。この地域は、クロンダイク・ゴールドラッシュの歴史と、先住民族トロンデク・ウェチンの文化が交差する場所です。トロンデク・ウェチンの人々は、この地で伝統的な生活を続けながら、ゴールドラッシュ時代の影響に適応してきました。遺跡や集落跡は、歴史的な金鉱採掘活動と先住民の持続的な土地利用を物語っており、文化的融合と共生の象徴として評価されています。
Prehistoric Sites of Talayotic Menorca
Spain
タラヨティック文化の先史時代遺跡群 スペイン
スペインのメノルカ島にある先史時代の遺跡群。紀元前2000年から1000年頃にかけて栄えたタラヨティック文化は、特異な石造建築で知られます。特に、タワー状の「タラヨット」や礼拝堂、集会場が特徴的で、社会構造や宗教的儀式の場として使われました。これらの遺跡は、地中海の先史時代文化を理解するための貴重な証拠となっています。
Koh Ker: Archaeological Site of Ancient Lingapura or Chok Gargyar
Cambodia
コー・ケー:古代リンガプラまたはチョク・ガルジャールの遺跡 カンボジア
クメール王朝の一時的な首都。10世紀に建設されたこの都市は、ジャヤヴァルマン4世によって繁栄し、ピラミッド型のプラサット・トム寺院をはじめとする壮大な寺院群で知られています。コー・ケーは、独自の彫刻技術や建築様式が特徴で、アンコール時代の文化と芸術の発展を示す重要な遺跡です。都市全体が密林に囲まれており、その神秘的な雰囲気が訪れる人々を魅了します。
Deer Stone Monuments and Related Bronze Age Sites
Mongolia
鹿石記念碑と関連する青銅器時代の遺跡群 モンゴル
これらの遺跡は、紀元前1200年から700年頃に作られた石柱や石碑で、特に彫刻された鹿の図像が特徴です。これらの石碑は、青銅器時代の遊牧民の文化や宗教的儀式に関連し、モンゴル全土に点在しています。鹿石は、当時の信仰や社会構造を示す貴重な遺産であり、遊牧文化の象徴とされています。
Santiniketan
India
サンティニケタン インド
詩人ラビンドラナート・タゴールによって設立された文化的教育センターで、2023年に世界遺産に登録されました。1901年に設立されたこの場所は、芸術、文化、教育が融合した革新的な学びの場として知られています。タゴールの理想に基づき、自然と調和した教育環境が特徴で、インドの伝統と西洋の教育思想を統合したユニークな学問体系が発展しました。サンティニケタンは、インドの知的・文化的遺産の象徴として評価されています。
Bale Mountains National Park
Ethiopia
エチオピア連邦民主共和国
エチオピア南東部に位置する美しい自然保護区です。標高4,300mの高山や広大な草原、湿地帯が広がり、特に絶滅危惧種の「バレイロバ」といった動物が生息しています。豊かな生物多様性と風光明媚な景観で、トレッキングや野生動物観察に最適な場所です。
Jewish-Medieval Heritage of Erfurt
Germany
エアフルトのユダヤ中世遺産 ドイツ
ドイツ・エアフルトに残る中世ユダヤ人共同体の歴史を物語る重要な文化遺産です。ユダヤ人旧市街には、13世紀に建設されたエアフルト旧シナゴーグや、儀式用のミクワー(沐浴場)が保存されています。また、エアフルト財宝と呼ばれる貴金属や宝石類は、中世のユダヤ人商人の繁栄とその迫害の歴史を象徴しています。これらの遺産は、ユダヤ文化とキリスト教社会との関係を伝える貴重な証拠として、ユネスコ世界遺産にも登録されています。