2023年に登録された世界遺産より(2022年申請分を含む)

2023年に登録された世界遺産より(2022年申請分を含む)

第45回世界遺産委員会は、2023年にサウジアラビアのリヤドで開催されました。2022年はコロナの影響で委員会が開催されなかったため、登録件数は0となり、2023年にまとめて登録が行われました。本委員会では42件(文化遺産33、自然遺産9)の新規登録があり、先行した臨時会議で緊急登録された文化遺産3件と合わせ、世界遺産の総数は1199件となった。なお、世界遺産を保有していない国の中からルワンダが新規に保有国となった。

 

Nyungwe National Park
Rwanda

ニュングウェ国立公園 ルワンダ

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ルワンダ南西部に位置するアフリカでも最も古い熱帯雨林の一つで、豊かな生物多様性が特徴です。広大な森林には、約1,000種以上の植物、300種以上の鳥類、そしてチンパンジーやフクロテナガザルを含む13種の霊長類が生息しています。さらに、熱帯雨林の美しい景観と多様な生態系は、観光や生態保護にとって重要な役割を果たしています。ニュングウェは、アフリカの自然遺産と生態系保護の象徴として高く評価されています。

Medieval Anatolia
Turkey

中世アナトリア トルコ

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中世アナトリアは、ビザンティン帝国、セルジューク朝、オスマン帝国など、多様な文明が交差した地域です。この遺産には、要塞、橋、キャラバンサライ(隊商宿)など、当時の建築技術や文化交流を示す遺跡群が含まれています。特にセルジューク朝の建築様式が顕著で、石造りの装飾や幾何学模様が特徴的です。この地域は、中世における文化、宗教、交易の中心地として評価されています。

 

Hopewell Ceremonial Earthworks
America

ホープウェル儀式土塁群 アメリカ合衆国

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アメリカ合衆国オハイオ州に位置する。ホープウェル文化(紀元前200年~紀元後500年)によって築かれたこれらの土塁群は、宗教儀式や集会の場として使われ、幾何学的な形状が特徴です。大規模な円形や四角形の土塁は、天文学的な整列を考慮して設計されており、先住民の社会・宗教的生活を象徴しています。この遺産は、古代アメリカの高度な技術力と精神文化を示す重要な遺跡です。

Tugay forests of the Tigrovaya Balka Nature Reserve
Tajikistan

ティグロヴァヤ・バルカ自然保護区のトゥガイ林 タジキスタン

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トゥガイ林は、アムダリヤ川沿いの氾濫原に形成された特殊な森林で、乾燥地帯の貴重な生態系を支えています。この地域には、絶滅危惧種のペルシャヒョウやバルカリカンガルーなど、多様な動植物が生息し、特に湿潤環境での自然保護の重要性が高く評価されています。独自の生態系と希少な生物多様性が、保護区の価値を高めています。

Funerary and memory sites of the First World War (Western Front)
Belgium
France

第一次世界大戦(西部戦線)の埋葬と記憶の場所 フランス ベルギー

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第一次世界大戦の西部戦線における墓地や記念碑を含む世界遺産候補地です。フランスとベルギーにまたがる地域に位置し、戦争の犠牲者を追悼する場として、文化的・歴史的意義を持っています。これらの場所は、戦争の破壊的影響と人類の記憶を伝える場であり、戦争の悲劇と和解の象徴とされています。遺産としての意義は、平和の重要性を後世に伝えることにあります。

Evaporitic-Karst-and-Caves-of-Northern-Apennines
Italy

北アペニン山脈の蒸発岩カルストと洞窟群 イタリア

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イタリアにある独特な地質遺産。この地域は、石膏や岩塩などの蒸発岩が溶解して形成されたカルスト地形と、数多くの洞窟が特徴です。これらの洞窟には、特異な鉱物形成や希少な地下生物が見られ、科学的研究の重要な対象となっています。地質学的多様性と美しい自然景観が評価され、世界遺産に登録されました。

 

ESMA Museum and Site of Memory – Former Clandestine Centre of Detention, Torture and Extermination
Argentina

ESMA博物館および記憶の場所 アルゼンチン

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ESMA Museum and Site of Memory – Former Clandestine Centre of Detention, Torture and Extermination_Argentina

アルゼンチンのブエノスアイレスに位置する文化遺産。この施設は、1976年から1983年の軍事独裁政権下で、秘密裏に拘束、拷問、処刑が行われた場所で、約5,000人が行方不明となりました。現在は、犠牲者の記憶を保存し、過去の人権侵害を忘れないための教育・記念施設として機能しています。ESMAは、歴史的な記憶と人権の重要性を象徴する遺産です。

Axis of Yogyakarta
Netherlands

エイジンガ・プラネタリウム オランダ

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オランダのフリースラント州にある世界最古の現存するプラネタリウム。18世紀に羊毛商人で天文学愛好家のエイゼ・エイジンガが自宅の天井に建設したこのプラネタリウムは、太陽系の正確な動きを再現するために設計されました。現在でも稼働し続けており、当時の科学技術と教育への情熱を示す貴重な遺産です。エイジンガ・プラネタリウムは、天文学の歴史と教育の重要性を象徴しています。

Deserts of Turan
Kazakhstan Turkmenistan Uzbekistan

テュラン砂漠 カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン

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カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンにまたがる広大な砂漠地帯。この地域は、厳しい砂漠環境ながら、多様な生物種が生息する生態系の宝庫です。特に、絶滅危惧種のサイガなどの希少動物が保護されており、自然保護の重要な拠点となっています。テュラン砂漠は、独特な自然景観と生物多様性が評価され、中央アジアの生態学的な重要性を象徴する遺産として認められています。

Cultural Landscape of Khinalig
Azerbaijan

キナリグの文化的景観 アゼルバイジャン

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山岳地帯に位置する古代から続く集落です。独特な石造りの民家や階段式の住宅が特徴で、自然環境と調和した生活様式が保存されています。多様な言語と伝統文化が息づき、伝統農業や手工芸も見られます。キナリグは地域の歴史とアイデンティティを象徴し、その独自の景観と文化遺産が高く評価され、世界遺産に登録されました。

 

Axis of Yogyakarta
Indonesia

ジョグジャカルタの軸線 インドネシア

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この軸線は、ジョグジャカルタの王宮(クラトン)から北のメラピ山、南のパラントリティス海岸まで一直線に続く都市計画の中心を成すものです。この軸は、宇宙の中心と考えられ、王権の象徴であり、宗教的・儀式的な意味を持つ重要な場所です。ジョグジャカルタの歴史、文化、宗教を象徴し、インドネシアの伝統的な都市計画思想を体現しています。

Astronomical Observatories of Kazan Federal University
Russian Federation

カザン連邦大学の天文台 ロシア

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これらの天文台は、19世紀から20世紀初頭にかけて、カザン大学で行われた天文学研究の中心地であり、特に恒星天文学や地球物理学の発展に寄与しました。天文台には、歴史的な観測機器や資料が保存されており、ロシアの科学史における重要な役割を果たしてきました。天文学の進歩と教育の象徴として高く評価されています。

Anticosti
canada

アンティコスティ島 カナダ

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セントローレンス湾に位置する島です。島は、オルドビス紀(約4億4500万年前)の地質学的遺産が豊富で、特に化石が多く発見されることで知られています。アンティコスティ島の化石層は、当時の海洋生物や環境の変遷を示す重要な証拠で、地球の歴史を理解するための貴重な場所です。自然の美しさと科学的価値が融合した独自の遺産として評価されています。

 

Tell es-Sultan
State of Palestine

テル・エス=スルタン パレスチナ

パレスチナのエリコ近郊に位置する先史時代の遺跡。人類最古の都市の一つとされ、紀元前10,000年頃からの定住跡が発見されています。遺跡には、古代の都市防御壁や塔、住居跡などが含まれ、人類初期の都市化や農業の発展を示す重要な証拠となっています。テル・エス=スルタンは、人類の初期文明を理解するための重要な考古学的遺産として評価されています。

 

‘Uruq Bani Ma’arid
Saudi Arabia

ウルク・バニ・マアリド サウジアラビア

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この地域は、アラビア砂漠の一部で、独特の砂丘と岩山が特徴的です。ウルク・バニ・マアリドは、多様な動植物が生息する生態系の宝庫であり、特に絶滅危惧種であるアラビアオリックスなどの野生動物が保護されています。過酷な環境の中での生態系の持続と、人間と自然の共生が評価され、砂漠の自然美と生物多様性が重要視されています。

Sacred Ensembles of the Hoysalas
India

ホイサラ朝の神聖な建造物群 インド

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これらの寺院は、12~13世紀にホイサラ朝のもとで建設され、複雑な彫刻と精巧な建築で知られています。特に、ベールールやハレービードゥの寺院は、星形の基壇や繊細な石彫りが特徴で、ヒンドゥー教建築の傑作とされています。これらの神聖な場所は、ホイサラ時代の宗教、文化、芸術の重要な証として高く評価されています。

The Maison Carrée of Nîmes
France

ニームのメゾン・カレ フランス

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フランス南部に位置する古代ローマ時代の神殿。紀元前1世紀に建てられたこの神殿は、ローマ帝国の建築技術と美学の優れた例であり、特に保存状態が非常に良いことで知られています。コリント式の柱を持つ正面玄関と、その調和のとれたプロポーションが特徴的です。メゾン・カレは、古典建築の影響力を後世に伝える重要な文化遺産として評価されています。

 

Zagori Cultural Landscape
Greece

ザゴリの文化的景観 ギリシャ

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ギリシャ北西部のピンドス山脈に位置します。この地域は、美しい石造りの村々や石橋、教会、修道院が点在し、伝統的な建築様式と自然環境が見事に調和しています。ザゴリの村々は、自然の地形を生かした独特の都市計画が特徴で、豊かな文化遺産や長い歴史が地域のアイデンティティを形成しています。豊かな生物多様性と共に、人間と自然の共生が評価されています。

https://whc.unesco.org/en/list/1695/

The Historic Centre of Odesa
Ukraine

The Historic Centre of Odesa

オデーサ歴史地区は、ウクライナ南部に位置するオデーサの旧市街で、18世紀末から19世紀にかけて発展した黒海の重要な港湾都市の中心地です。ヨーロッパ各地からの建築家による新古典主義やアール・ヌーヴォー様式の建物が立ち並び、多文化的な影響を受けた都市計画が特徴です。貿易、文化、芸術の中心地として栄え、オペラ座やプシキン通りなどの象徴的な建築が歴史的価値を持ちます。

Rachid Karami International Fair-Tripoli
Lebanon

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Rachid-Karami-International-Fair-Tripoli

レバノンのトリポリにあるラシッド・カラミ国際見本市(Rachid Karami International Fair)は、近代建築の巨匠オスカー・ニーマイヤーによって設計されました。1960年代に建設されたこの施設は、レバノンの経済成長と国際交流を象徴する場として設立されました。特徴的な曲線を持つ建物や広大な展示スペースがあり、建築的価値が高く、2023年にユネスコの世界遺産に登録されました。

Landmarks of the Ancient Kingdom of Saba, Marib
Yemen

古代サバ王国のランドマーク、マリブ イエメン

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この遺産は、紀元前1千年紀から繁栄したサバ王国の首都マリブの遺跡群を含みます。主な特徴として、壮大なマリブダム、アワム神殿、バラケン神殿があります。これらの構造物は、古代の高度な建築技術と灌漑システムを示しており、サバ王国の文化的、歴史的な重要性を物語っています。

Forest Massif of Odzala-Kokoua
Republic of the Congo

オザラ・コクアの森林塊 コンゴ共和国

コンゴにある広大な熱帯雨林の保護区。この遺産は、約13,600平方キロメートルにわたる豊かな生物多様性を特徴としています。ここには、森林ゾウ、ゴリラ、チンパンジーなどの絶滅危惧種を含む多くの野生生物が生息しています。また、多様な植物群が広がり、重要な炭素吸収源としても機能しています。オザラ・コクアは、地球規模の生態系保全において重要な役割を果たしており、科学的研究や環境教育の場としても価値があります。

Nyamata, Murambi, Gisozi and Bisesero
Rwanda

ニャマタ、ムランビ、ギソジ、ビセセロ ルワンダ

Nyamata, Murambi, Gisozi and Bisesero

ルワンダにあるジェノサイド記念地群。これらの場所は、1994年のルワンダ虐殺で命を落とした多くの人々を追悼するための記念施設です。それぞれが虐殺の異なる側面を伝え、犠牲者の記憶を尊重し、平和と和解の象徴としての役割を果たしています。これらの記念地は、ルワンダの歴史を理解し、過去の悲劇を忘れないための重要な場所です。

Cultural Landscape of Old Tea Forests of the Jingmai Mountain in Pu’er
China

プーアル市景迈山の古茶林の文化的景観 中華人民共和国

Cultural Landscape of Old Tea Forests of the Jingmai Mountain in Pu’er _China

中国雲南省に位置する世界遺産。この遺産は、千年以上続く茶の栽培と製造の伝統を持つ古代の茶林を特徴としています。地元の少数民族が持続可能な農業手法で茶樹を管理し、豊かな生物多様性を保ちながら茶文化を発展させてきました。茶林には古代の石段や寺院、村落も点在し、茶文化と自然景観が調和した独特の文化的景観を形成しています。

The Ancient Town of Si Thep and its Associated Dvaravati Monuments
Thailand

シーテープの古代都市とその関連するドヴァーラヴァティーの遺跡群 タイ

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Axis of Yogyakarta

この遺跡群は、7世紀から11世紀にかけて栄えたドヴァーラヴァティー文化を代表し、古代の都市計画や宗教建築の例が見られます。特に、壮大な仏教寺院やヒンドゥー教寺院の遺構が含まれており、当時の信仰や芸術の発展を示す重要な証拠です。

Jodensavanne Archaeological Site: Jodensavanne Settlement and Cassipora Creek Cemetery
Suriname

ユダヤ人サバンナ考古遺跡(ユダヤ人サバンナ集落とカシポラ・クリーク墓地) スリナム

スリナムにあるユダヤ人植民地の歴史を伝える重要な遺跡です。17世紀に形成されたこの集落には、シナゴーグの遺構や住居跡が残り、カシポラ・クリーク墓地には保存状態の良い墓石が点在しています。宗教的自由を求めたユダヤ人の歴史と多文化共存の象徴的な地で、豊かな自然とも調和した貴重な文化遺産です。

Djerba:Testimony to a settlement pattern in an island territory
Tunisia

ジェルバ島: 島の領土における定住パターンの証言 チュニジア

ジェルバ島は古代から多様な文化や宗教の影響を受けてきた歴史的な場所です。フェニキア人、ローマ人、ビザンチン人、アラブ人、ベルベル人などがこの島に定住し、その影響が建築、都市計画、農業、宗教施設などに反映されています。特にユダヤ人コミュニティの存在は、この地域の多文化共存の象徴とされています。

 

National Archaeological Park Tak’alik Ab’aj
Guatemala

国立考古学公園 タカリク・アブアジ グアテマラ

グアテマラ南西部に位置する重要な遺跡で、先古典期から古典期初期(紀元前900年~紀元後200年)の間に栄えた多文化的な都市です。マヤ文明とオルメカ文明の影響が交錯しており、石彫やモニュメントが特徴的です。特に、精巧な彫刻や初期マヤ文字が刻まれた碑文が発見され、文明の発展を示す貴重な証拠となっています。考古学的にも観光的にも重要な地で、自然と歴史が融合した魅力的な場所です。

Volcanoes and Forests of Mount Pelée and the Pitons of Northern Martinique
France

ペレー山と北部マルティニークのピトンの火山と森林 フランス

フランス領マルティニーク島に位置する自然遺産です。この地域は、活火山であるペレー山を中心に、独特の火山地形と熱帯雨林が広がっています。ペレー山は、1902年の大噴火で知られ、その後も活発な火山活動が続いています。また、この地域は多様な生態系を持ち、多くの固有種が生息しています。特に熱帯雨林は生物多様性が豊かで、自然保護の重要性が認識されています。この自然景観は、地球の地質学的および生態学的な歴史を理解する上で重要です。

Viking-Age Ring Fortresses
Denmark

ヴァイキング時代のリング要塞群 デンマーク



10世紀にデンマーク王ハラルド青歯王によって建設されたこれらの円形要塞は、戦略的な軍事拠点として機能し、ヴァイキング時代の優れた防衛技術を示しています。要塞は正確な円形の設計と対称的なレイアウトが特徴で、デンマーク各地に点在しています。これらの遺構は、ヴァイキング社会の政治的、軍事的組織力を物語る重要な証拠とされています。

 

The Persian Caravanserai
Iran

ペルシャ・キャラバンサライ イラン

キャラバンサライは、古代から19世紀にかけて交易路に沿って建てられた宿泊施設で、旅行者や商人の休息と物資の保管に利用されました。この遺産には、イラン全土に点在する54のキャラバンサライが含まれ、各地の気候や文化に応じた多様な建築様式が特徴です。これらの施設は、シルクロードなどの歴史的交易路における商業活動や文化交流の重要性を象徴しています。

Silk Roads_Zarafshan-Karakum Corridor
Tajikistan, Turkmenistan, Uzbekistan

シルクロード:ザラフシャン=カラクム回廊 ウズベキスタン、トルクメニスタン

この交易回廊は、古代から中世にかけて東西を結ぶ主要なルートとして機能し、商業、文化、宗教の交流を促進しました。交易路沿いには、キャラバンサライや都市遺跡、要塞などが点在し、シルクロードの繁栄と多様な文化的交流の歴史を物語っています。この回廊は、シルクロード全体の重要性を象徴する一部として評価されています。

Old town of Kuldīga
Latvia

クルディーガ旧市街 ラトビア

中世の都市構造がよく保存されており、特に17〜18世紀の木造建築群が特徴的です。クルディーガはかつてクールラント公国の重要な都市で、狭い石畳の通りや歴史的な橋、ヴェンタ滝などが調和する風景が魅力です。都市景観は、自然と歴史が織りなす独特の雰囲気を持ち、バルト地方の文化遺産の象徴として評価されています。

Modernist Kaunas_Architecture of Optimism, 1919-1939
Lithuania

モダニスト・カウナス:オプティミズムの建築 リトアニア

カウナスは1920年代から1930年代にかけて、一時的にリトアニアの首都となり、その間に独自のモダニズム建築が発展しました。建物は機能性と美学が融合し、リトアニアの国家的自信と進歩を象徴しています。特に公共施設や住宅群が、革新的な設計と装飾で知られ、都市全体が20世紀初頭のヨーロッパ建築の発展を物語っています。

Gordion
Turkey

ゴルディオン トルコ

古代フリギア王国の首都。ゴルディオンは、紀元前9世紀から8世紀にかけて栄え、ギリシャ神話で知られるゴルディアスの結び目やミダス王の伝説と結びついています。遺跡には王墓や防壁、居住区が含まれ、特に巨大な墳丘墓(トゥムルス)が有名です。この遺跡は、古代アナトリアの文化と歴史を伝える重要な場所であり、考古学的価値が高く評価されています。

Gaya Tumuli
Republic of Korea

伽倻古墳群 韓国

伽倻は紀元前1世紀から6世紀にかけて朝鮮半島南部で栄えた連合王国で、その時代の古墳群が広範囲にわたり残されています。これらの古墳は、伽倻文化の独自性を示すもので、特に鉄器の精巧さや独自の埋葬習慣が特徴です。古墳群は、当時の社会構造や国際的な交流を物語る重要な証拠であり、朝鮮半島の古代史を理解するうえで非常に貴重です。

 

Žatec and the Landscape of Saaz Hops
Czechia

ザーテツとザーツホップの景観 チェコ共和国

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チェコ共和国にある歴史的なホップ栽培地域。この地域は、世界的に有名なザーツホップ(Saaz hops)の生産地として知られ、ビール醸造に欠かせない原料を提供してきました。ザーテツの町には、伝統的なホップ乾燥所や倉庫が残されており、ホップ栽培とビール生産の歴史的発展を物語っています。ホップ畑が広がる風景と共に、この地域の農業遺産が高く評価されています。

The Gedeo Cultural Landscape
Ethiopia

ゲデオ文化的景観 エチオピア

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The Gedeo Cultural Landscape_Ethiopia_site_1641

この地域は、ゲデオ族が何世紀にもわたり築いてきた独特の農業システムと、豊かな生態系を持つ景観で知られています。急斜面の土地を巧みに利用した持続可能な農業と、土壌保全技術が特徴的で、特にコーヒー栽培が盛んです。ゲデオの文化と伝統が自然環境と深く結びつき、豊かな生物多様性と調和した生活が営まれています。

 

Tr’ondëk-Klondike
Canada

トロンデク=クロンダイク カナダ

Tr’ondëk-Klondike Canada

カナダのユーコン準州にある世界遺産。この地域は、クロンダイク・ゴールドラッシュの歴史と、先住民族トロンデク・ウェチンの文化が交差する場所です。トロンデク・ウェチンの人々は、この地で伝統的な生活を続けながら、ゴールドラッシュ時代の影響に適応してきました。遺跡や集落跡は、歴史的な金鉱採掘活動と先住民の持続的な土地利用を物語っており、文化的融合と共生の象徴として評価されています。

Prehistoric Sites of Talayotic Menorca
Spain

タラヨティック文化の先史時代遺跡群 スペイン

スペインのメノルカ島にある先史時代の遺跡群。紀元前2000年から1000年頃にかけて栄えたタラヨティック文化は、特異な石造建築で知られます。特に、タワー状の「タラヨット」や礼拝堂、集会場が特徴的で、社会構造や宗教的儀式の場として使われました。これらの遺跡は、地中海の先史時代文化を理解するための貴重な証拠となっています。

Koh Ker: Archaeological Site of Ancient Lingapura or Chok Gargyar
Cambodia

コー・ケー:古代リンガプラまたはチョク・ガルジャールの遺跡 カンボジア

クメール王朝の一時的な首都。10世紀に建設されたこの都市は、ジャヤヴァルマン4世によって繁栄し、ピラミッド型のプラサット・トム寺院をはじめとする壮大な寺院群で知られています。コー・ケーは、独自の彫刻技術や建築様式が特徴で、アンコール時代の文化と芸術の発展を示す重要な遺跡です。都市全体が密林に囲まれており、その神秘的な雰囲気が訪れる人々を魅了します。

 

Deer Stone Monuments and Related Bronze Age Sites
Mongolia

鹿石記念碑と関連する青銅器時代の遺跡群 モンゴル

これらの遺跡は、紀元前1200年から700年頃に作られた石柱や石碑で、特に彫刻された鹿の図像が特徴です。これらの石碑は、青銅器時代の遊牧民の文化や宗教的儀式に関連し、モンゴル全土に点在しています。鹿石は、当時の信仰や社会構造を示す貴重な遺産であり、遊牧文化の象徴とされています。

Santiniketan
India

サンティニケタン インド

詩人ラビンドラナート・タゴールによって設立された文化的教育センターで、2023年に世界遺産に登録されました。1901年に設立されたこの場所は、芸術、文化、教育が融合した革新的な学びの場として知られています。タゴールの理想に基づき、自然と調和した教育環境が特徴で、インドの伝統と西洋の教育思想を統合したユニークな学問体系が発展しました。サンティニケタンは、インドの知的・文化的遺産の象徴として評価されています。

Bale Mountains National Park
Ethiopia
エチオピア連邦民主共和国

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エチオピア南東部に位置する美しい自然保護区です。標高4,300mの高山や広大な草原、湿地帯が広がり、特に絶滅危惧種の「バレイロバ」といった動物が生息しています。豊かな生物多様性と風光明媚な景観で、トレッキングや野生動物観察に最適な場所です。

Jewish-Medieval Heritage of Erfurt
Germany

エアフルトのユダヤ中世遺産 ドイツ

ドイツ・エアフルトに残る中世ユダヤ人共同体の歴史を物語る重要な文化遺産です。ユダヤ人旧市街には、13世紀に建設されたエアフルト旧シナゴーグや、儀式用のミクワー(沐浴場)が保存されています。また、エアフルト財宝と呼ばれる貴金属や宝石類は、中世のユダヤ人商人の繁栄とその迫害の歴史を象徴しています。これらの遺産は、ユダヤ文化とキリスト教社会との関係を伝える貴重な証拠として、ユネスコ世界遺産にも登録されています。