2004年に登録された世界遺産より

2004年に登録された世界遺産より

第28回世界遺産委員会は、2004年6月28日から7月7日にかけて中国の蘇州で開催されました。この会合では、29件の文化遺産と5件の自然遺産が新規に登録され、世界遺産の総数は788件となりました。

 

Vjetrenica Cave, Ravno

Bosnia and Herzegovina

 

ボスニア・ヘルツェゴビナ南部のラヴノに位置する洞窟。この洞窟は、ヨーロッパで最も重要なカルスト地形の一つであり、全長約6.7kmの地下通路を持つ壮大な自然遺産です。洞窟内には、珍しい鍾乳石や地下湖、古代の動物の化石が見られます。また、特に固有種の生息地として知られ、プロテウス・アンギニス(オルム)などの希少な地下生物が確認されています。自然科学や生物多様性の研究においても重要な場所です。

ケニアの海岸沿いに位置するスワヒリ文化の重要な遺産です。ゲディは13世紀から17世紀にかけて繁栄した交易都市で、モスク、宮殿、住宅跡などの遺構が発見されています。特に、珊瑚石を使った建築技術や、インド洋交易を通じた文化的交流を示す陶器やガラス製品が注目されています。この遺跡は、スワヒリ文明の都市計画や生活様式を理解する上で貴重な証拠を提供しています。