2021年に登録された世界遺産より
当初は2020年に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行のため、延期された。2021年7月16日から7月31日にオンラインで開催された(公式サイトでは、開催地について “Fuzhou (China)/Online meeting”と表記されている。2020年、2021年審議予定だった資産がまとめて審議された結果、文化遺産29件、自然遺産5件、複合遺産0件が新規に登録された一方、海商都市リヴァプールが抹消された結果、世界遺産の総数は1,154件となった。新規に世界遺産保有国となった締約国はない。 危機遺産リストからは海商都市リヴァプールとサロンガ国立公園が除外された一方、ロシア・モンタナの鉱山景観が登録と同時に危機遺産リストに加えられたため、2減1増の52件となった。[wikipedia]
Frontiers of the Roman Empire – The Lower German Limes
germany, netherlands
「ローマ帝国の国境 – 低地ゲルマニア・リーメス」は、現在のドイツとオランダに位置し、2021年に世界遺産に登録されました。これは、ローマ帝国時代にライン川沿いに築かれた防衛線で、紀元1世紀から5世紀にかけてローマの北西部国境を守っていました。軍事要塞、砦、塔、橋などが含まれ、当時の防衛戦略やローマ帝国の広大な影響力を示しています。この遺跡は、ローマ時代の国境防衛システムの重要な一部として高く評価されています。
Jomon Prehistoric Sites in Northern
Japan
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道と青森県、岩手県、秋田県に広がる縄文時代の遺跡群で、2021年に世界遺産に登録されました。これらの遺跡は、約1万年以上続いた縄文文化を物語り、定住生活や豊かな精神文化の発展を示しています。環状列石や貝塚、土器、土偶などが発見され、当時の人々の生活、信仰、社会構造が明らかになっています。縄文遺跡群は、日本の先史時代文化を理解するための貴重な考古学的遺産です。
Nice, Winter Resort Town of the Riviera
France
「ニース、リヴィエラの冬の保養地」は、フランスの南部に位置する美しい海沿いの都市で、2021年に世界遺産に登録されました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、特にヨーロッパの上流階級に人気のある冬のリゾート地として発展しました。温暖な気候と地中海の絶景が魅力で、豪華なホテルや邸宅、プロムナード・デ・ザングレ(英国人の散歩道)などが整備され、都市計画とリゾート建築が融合した歴史的景観が評価されています。
Petroglyphs of Lake Onega and the White Seam
Russia
「オネガ湖と白海の岩絵群」(Petroglyphs of Lake Onega and the White Sea)は、ロシア北部に位置する先史時代の岩絵群で、2021年に世界遺産に登録されました。オネガ湖のほとりと白海沿岸に刻まれたこれらの岩絵は、約6,000年前に描かれたもので、動物や人間、船、狩猟などのモチーフが描かれています。これらの絵は、先史時代の人々の信仰や生活、自然との関わりを示し、当時の文化や宗教的な世界観を理解する上で貴重な資料です。岩絵の芸術的価値と歴史的意義が評価されています。
Settlement and Artificial Mummification of the Chinchorro Culture in the Arica and Parinacota Region
Chile
「チンチョーロ文化の集落と人工ミイラ」は、チリ北部のアリカ・パリナコータ地方に位置し、2021年に世界遺産に登録されました。チンチョーロ文化(紀元前7000年~前1500年)は、世界最古の人工ミイラを作ったことで知られています。彼らは漁業を中心とした生活を送り、独特な技術で故人をミイラ化し、死者への強い敬意を表しました。この遺産は、古代の文化的慣習や技術の進歩を示す貴重な考古学的証拠です。
ShUM Sites of Speyer, Worms and Mainz
Germany
「シュパイアー、ヴォルムス、マインツのシュム・サイト」(ShUM Sites of Speyer, Worms and Mainz)は、ドイツのラインラント地方にある中世ユダヤ教の重要な中心地で、2021年に世界遺産に登録されました。シュムとは、これらの都市のヘブライ語名の頭文字を組み合わせたもので、中世ヨーロッパにおけるユダヤ教の宗教、学問、文化の中心地として知られています。シナゴーグ、墓地、儀式用の浴場(ミクワー)などが残り、ユダヤ人コミュニティの豊かな歴史と影響力を示しています。この遺産は、ユダヤ文化の重要な歴史的証拠として評価されています。
Sudanese Style Mosques in Northern Côte d’Ivoire
Côte d’Ivoire
「北コートジボワールのスーダン様式のモスク群」は、2021年に世界遺産に登録されました。このモスク群は、サハラ交易路を通じて西アフリカに伝わったスーダン様式の建築を代表し、15世紀から続くイスラム教の伝統を象徴しています。特徴的な土造りの建築は、厚い壁、尖塔、木の梁で装飾され、気候に適応したデザインが施されています。これらのモスクは、地域の歴史的・宗教的な結びつきを示す重要な文化遺産として評価されています。
Dholavira- a Harappan City
India
「ドーラヴィーラー:ハラッパーの都市」は、インドのグジャラート州にあるインダス文明の遺跡で、2021年に世界遺産に登録されました。この都市は、約4,500年前に栄えたインダス文明の主要都市の一つで、計画的な都市設計が特徴です。高度な排水システム、貯水施設、防御壁、住宅地や公共広場が残り、当時の高度な技術と社会組織を示しています。ドーラヴィーラーは、インダス文明の都市生活や技術力を理解する上で貴重な考古学的遺産です。
「フーラーマーン/ウラマナトの文化的景観」は、イランとイラクの国境にまたがる山岳地帯で、2021年に世界遺産に登録されました。険しい地形に築かれたテラス状の集落が特徴で、3,000年以上にわたる人々の生活と文化が受け継がれています。この地域では、独特の建築様式や農業、牧畜が行われ、クルド人の伝統文化や儀式が息づいています。フーラーマーンは、自然環境と調和した人々の生活様式と、その文化的遺産が評価されています。